よーちゃんの雑記帳  

街と人との出会いが楽しみ。

「聖なるものへ」展@茨城県近代美術館

 「聖なるものへ」展@茨城県近代美術館

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彫刻家・後藤清一さんの随想録『隠者の片影』(昭和38年・私家版)に『宗教に芽生えを置かない藝術は神のものかもしれない。されど人間の芸術とはいいがたい』1章がある。

人類は古来より、自然崇拝や神仏への祈りなどが形になったものが、聖なるものとしてあがめられ、今でいう藝術となったのであろう。
藝術の源は、信仰や宗教に関するものばかりと言っても過言ではない。
それらを、畏れや憧れ、救いを求める心をもって見つめてきた。

絶対的な宗教心が薄れてきた時代になっても、それらを見ることや場に立つことは、超越した存在や永遠性を願い、感じることがある。

この展覧会は4部で構成されていた。
序章は、菩薩や聖人や霊山など、従来描かれてきた超越的で具体的な存在。
第1章「うつろいの中のかがやき」では、変転し移ろいゆく自然の中のある瞬間に尊い何かを見出し描いた作品。
第2章「痛みのありか」では、求めても救いの得られることはない深い苦悩や痛みと向き合う人間の精神にある種の崇高さが見出せる作品。
第3章「ひそやかな対面」では、机の上に私的な物が祭壇のように並べられ描かれた静物画や、自分自身を映すような存在に対面することで逆に強く迫ってくる永遠の時間を感じさせる作品。

序章の、笠間出身の女性洋画家・山下りんによるイコン「至聖女神」、横山大観「鹿島神宮・筑波山」(対幅)、村上華岳「菩薩座像」「観世音菩薩図」などは、自然に頭を下げたくなるような感じはあるが、全体として宗教心を感じさせる作品ばかりではない。
木村忠太「丘の上の農家」、柳田 昭「ある終焉」、木下 晋「休息」、有元利夫「送る夜」、髙島野十郎「蝋燭」、舟越 桂「戦争をみるスフィンクス」などが心に残った。

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ミュージアムショップ「みえる」
店長は音楽家であり美術家のマルチタレントだ。
内装を自ら手掛けたのだろう、ユニークなデザインで楽しい雰囲気。
展覧会図録など必須のアイテムは当然だが、作家の手造アクセサリーや陶器など、一味違う品々が揃っている。

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何時の時代も聖なるもの、永遠なるものを求めてやまないのだろう。
近代美術館は千波湖畔に立地している。
周辺のイチョウをはじめとした黄葉・紅葉、北側に広がる市街地や駅南通りの眺めも素晴らしい。
僕にとっては、ここが「聖なる」場の一つだ。
  1. 2013/11/08(金) 09:30:07|
  2. 美術展
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Author:たかはし よういち
離俗の世界に憧れながら、市井の片隅でうごめいています。
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重複する記事も有りますが、自然を大切に、簡素な生活を。
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